STORY
栃木県益子町。
舌癌の手術後、声を失いかけた図書館司書の美和は、子供たちへの読み聞かせという生きがいも奪われ、静かな絶望の中にいた。
ある日、図書館に通う謎めいた少女・若菜と偶然出会う。
やがて、美和は若菜とその妹・芽衣が抱える、ある深い事情を知ることになる。
孤独を抱えた三人は、少しずつ心を開き合い、互いに寄り添いながら、ささやかな日常を重ねていく。
美和もまた、大切な人たちと過ごす時間の中で、心の奥底に眠っていた想いと向き合いながら、失いかけた声を取り戻そうとしていた。




